こりす

最初开始

第一章
「ならば良い。主従の関係は、はっきり
――どうしてだろう?
――なんだろう。
「あ、そうじゃ」
「……一人で屋敷の掃除でもしてお
「ほほう……なかなかではないか」
――その時、鈴の音が響いた。
「えっ……由ちゃんて、鬼さんなの?」
「……いったい、何のお話をなさっ
「どうしてですの? お兄様」
「……いや、何でもないんだ」
「とはいえ、これから先、ずっとこれで
「……お兄様もご一緒されます?」
咄嗟だった。
「やっ……」
「おっ……お兄様!」
「……なんでまた?」急な申し出に
「……でも、なんだか二人とも良い
「ねぇ、由。一つ気になるんだけど」
「でも……由。あれはいったい何だった
「座りましょう? お兄様」
【SAVE2】
「こっちは……燕子花こりす」
「……ただいまですわ、お二人とも」
「……何だと?」
「……ど、どこかお出かけ?」
「ま、そう落ち込むなよ。いつかは見つ
「……こまさん達も、今頃はこの山
「ふふっ……」
「こりす……」
第二章
ぽんぽん、と僕は彼の肩を叩いて、そ
――素朴な疑問なんだけど。
「こんな玄関先でとやかく言っていても
「今更、本殿に物を置くのが不謹慎だ……
「しかし……どうやったら、こんなお味
「もう解決した問題なら、そんなに気に
突然の事だったけれど、こりすも事態を
僕は左側の引き出しから、最初につか
「……別に、嘘でも本当でも宜しい
「……いったい、どういう生活を送っ
「確かに古いとは思ってたけど……そん
「よう」
「いや、違う違う。僕らは……その、勝
「紫縁祭……」
「こっ……こま、もう一回呼びに行って
「……でも、まいったな……とにか
「…………」
その日は、そんな風にして夜が更けて
「しかし、本当……こりすは周りをよく
「あら。紫縁祭って血祭りの事でしたの?」
色々と、考える事が沢山あって――
「こま……いいかい?」
「む? なんじゃ愚民、いたのか。まさ
「――式神ですわ」
「なんじゃあやつは。愛想のない……」
「じゃあもしかして、翁の診療所に担ぎ
「どうかな。もし本当に、そんな強引に
「あら、お兄様。ご休憩ですの?」
「何だか……元気がないよ? どうかし
「じゃあ、案内してくれてありがとう、
「あれ? でもお兄ちゃん、千草さんの
「……なんで」
「……お、おほん。その、あー、
「いや。だから、あの御神体は由に似て
「あの時、お兄様をお守りする事ができ
「むう……」
でも――何でだろう。
「巫女舞って、確か……天鈿女命の歌舞
「ああ。そういやさっき、出店の辺りで
「何も、こんな日にまで……」
(……やっぱり、自信がなくなっ
僕は一度玄関の中に戻り、傘立てから
「いっ、いや! いいよ。僕が行くか
「……昔は、よく……お兄ちゃんが
それから大きく深呼吸して、僕は居間
僕は隣の由に問いかけた。
「……じゃあ、みんなは先に食べて
僕はこりすを追った。
「……辛いのは、あんな事を言った
第三章
「……こまさんを見ておられなくて
「……いや。僕の方こそごめん。気
――その眼差しに、僕が何を言え
(……あれ)
「……その。結婚式の……事なんで
「……い、いいですわよ……お兄様。
「……あのさ、由。主って……」
「――まったくですわ」
「……そうかな。僕は……可愛いと
(……目を覚まして、こまさん)
「……あれ……? こりすさん……
「……お兄様?」
「それって、付喪神とか……そういう事
「何故……庇いますの?」
「おっ、お兄様。お兄様も何とかおっしゃっ
「……はいはい。まあいいですわ。
「……ふふっ。あはははっ」
「……こりす? どうかしたのかい?」
「……何じゃ。懐かしい感じじゃの」
「……っ……と、お兄様の眼の……
「こりす。昨日、僕に何を訊こうとして
「でも、それで宜しいのかもしれません
そこには、遠慮がちに僕の手に指先を
「他に呼び方はないかな?」
こまの服装は、巫女装束に戻っていた。
「……離れるって言っても、少しの
「さー。メシじゃメシじゃー」
「――あら。遂にアナタまで参戦で
「……お兄ちゃん、今日までありが
「……お兄様」
「あれ……由は、どうしたんだい?」
やっぱりそうだ――鏡架さんの視線の
「全一はどうして、こりすに仕えている
「……はい」
「……明日。必ず、見送るから」
「じゃあ……起こしてもらおうかな」
第四章
「……はは。もしかしたら、ずっと
「……お兄様」
「じゃあ……こりすの事も?」
――唐突に、僕は一つ思いついた。
「……あの娘と一緒にいてくれた事、
「こり……す……」
「ああ……ありがとう」
「くっ……!」
「おにぃ……さま……」

こりす END

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